私ははっきり言って、これまで清少納言にあまり興味がありませんでした。どちらかというと紫式部贔屓な私は、紫式部が自慢しいだと非難している清少納言は、実際イヤな人なのだと思い込んでいたのかも。中学だったか高校だったか、古文の時間に「春はあけぼの~」を習ったときも、感想は「あっそ」で終わり。
千年の時を超えて、都会で働く女・清少納言に共感
そんな私が「枕草子REMIX」を手に取ったのは、著者が酒井順子だったから。酒井順子の文章は読み始めたら一気。唯一の読書タイムである通勤電車の中で、笑いを堪えること数え切れず。枕草子って、こんなに面白い内容だったの?? 目から鱗ボロボロです。
清少納言の人間観察の目は鋭く、気に食わぬタイプの男・女に対する、誰にも遠慮することのない毒舌ぶりはスゴい。ささいな音や自然の風景・色などに意識を向けては素敵だと感激もする感受性の豊かさもスゴい。
中流貴族という身分の清少納言は、まるで現代のちょいと半端なキャリアウーマン。エリート意識や劣等感、様々な感情を抱えながら都会で働く女の考えることに、千年の時を超えて共感せずにはいられません。現代に生きる女性がそのまま平安の世で暮らしているかのように、清少納言が生身の人間として見えてきます。酒井順子の軽快な文章で、『枕草子』が大変身近になりました。