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「メールなどで使ってみたい武士語ランキング」と侍JAPAN

投稿日:2010-07-14 更新日:

NTTレゾナント株式会社が、gooリサーチの登録モニター1152人を対象に「メールなどで使ってみたい武士語」について調査し、先日、その結果を発表しました。第1位に輝いたのは、「かたじけない」。続いて、第2位「面目ない」、第3位「しばし待たれよ」、第4位「~でござる」、第5位「参上」、第6位「出陣!」、第7位「けしからん」、第8位「よきにはからえ」、第9位「いとおかし」、第10位「お主」。

武士語は日常で使える?

なるほど、第1位の「かたじけない」第2位の「面目ない」は私も実際に使ってみたいですねー。それっぽいデコ絵文字なども入れながら、新鮮なノリで相手を楽しませてみたいものです。第3位の「しばし待たれよ」第8位の「よきにはからえ」の上役言葉(?)は、一度言ってみたいなぁ、気分いいだろうなぁと思うものの、実際には丁寧語にアレンジしないと使う相手がいなさそうです。「友達や恋人との待ち合わせに遅れそうなとき、『遅刻しそう《でござる》。《しばし待たれよ》』というメールを送っておけば、笑って許してもらえる確率が高まるかもしれません。 」というコメントがランキング表と共に掲載されていましたが、いやいやいや、「あんた、何様?!」と怒って帰られてしまうのが関の山だと思うのですが。

これって武士語?

「メールなどで使ってみたい武士語ランキング」は、昨今の歴史ブームの一環として、気軽に答えて、見て、シンプルに楽しむものなのでしょうが、私のように、一部の何とも気持ちの悪い回答に頭を抱え込んでしまった人も少なくないのでは。ランキングの中で、あきらかにウいて見えるのが、第9位の「いとおかし」。これは枕草子なんかに出てくる、「とってもイイ!!」とか「めっちゃステキ♪」といった意味の「いとをかし」のことですよね。武士語というより、平安時代の王朝貴族語というイメージが強いような。「をかし」は、室町時代や江戸時代にもなると、「滑稽だ」「オモロイ」という、現代と似た意味になっているはずで、とりわけ武士が好んで使う言葉という訳でもなさそうなのに、何故ここにランクイン? それから、第7位の「けしからん」。よく考えてみれば、私も殆ど口にすらしたことがない言葉ではありますが、どこかでまだまだフツーに生きているものと思っていました。軽くショックです。「けしからん」がもはや死語になりつつあるのは事実なのだとしても、だからって武士語扱いするのってどうなのでしょうね。武士以外の人々は使っていなかったということ?

「サムライJAPAN」という呼称

さてさて話は変わりますが、FIFA W杯 南アフリカ大会が、本日、スペインの初優勝で幕を閉じましたね。決勝は録画観戦で済ませてしまった私ですが、日本のゲームは、キックオフが真夜中3時であろうと、全てLIVE中継で観、近所迷惑も省みずに大声を張り上げて応援しました。いやぁ、凄かったですね。ホントに感動させてもらいました。お疲れ様、サムライJAPAN! ありがとう、サムライJAPAN!!

ここでは選手のプレーや岡田監督の采配についてではなく、「サムライJAPAN」という呼び名について少々。TV・新聞・ネットなど様々なメディアで、「サムライJAPAN」、「サムライジャパン」、「侍ジャパン」、「SAMURAI JAPAN」・・・と、連日耳や目にするので、随分前から馴染みのある呼称のように錯覚してしまいますけど、実は2009年のWBCで誕生したばかりでしたっけね。昨年のWBCだけで消えてしまうことなく、引き続き、この度のFIFA W杯でも使われ、完全に定着したわけです。今思えば、それまでの「日本代表」という言い方は、何の芸もなく、まんま過ぎましたね。「監督名+JAPAN」は、特定の年のメンバーを指すもので、「日本代表」と同義語ではないし。一方この「サムライJAPAN」は普遍的に使える呼称であり、外国ウケも狙え、何より日本人の胸を熱くさせます。強さだけでなく、戦う姿勢の美しさをも思わせる、素晴らしいネーミングです。

「サムライJAPAN」という呼び名が、僅か2年で全国津々浦々、多くのチビッ子にまで浸透した今、少々危惧されるのは、日本人の「サムライ」の捉え方が、ますます一般的な外国人と大差がなくなってしまうのではないかということです。別に、日本人が「侍」の詳しい定義を知らなくなるとか、「侍」と「武士」を正確に使い分けられなくなるとかいう話ではありません。「侍」と「武士」を広義で同じとした上での、もっともっと低次元な心配事です。「メールなどで使ってみたい武士語ランキング」で、昔っぽい言葉は全て「武士語」扱いという傾向がみられたことからも、昔の男は全員が帯刀して戦う「サムライ」だったとか、戦う日本男児は皆「サムライ」と呼ぶのだとか信じる日本人が、多数出現する日も遠くないのかなと。

言語変換サイトで遊んでみた

有名な言語変換サイト「もんじろう」で、次の現代語を武士語に変換してみました。なかなかスムーズな武士語にならないため、現代語の方で調整していたら、意味不明な、えらく奇妙な文になってしまいました。文節単位での変換ができたり、文語と口語が混ざらない変換ができたらイイのになぁ、なんて、フリーツールに求めるのは贅沢ですね。
◎現代語
<<「サムライJAPAN」の勇姿は、なるほど、映画に出てくる侍のようにお見受け致しました。しかし、現代の日本に侍は存在しないため、実際は、彼らを本物の侍とは申せません。だから、「侍のようだ」と申し上げているのです。仕方がありません。また、「サムライJAPAN」の中に、ご先祖が士分の方は少数だと思われます。無粋な話をお耳に入れまして、申し訳ありません。私は「サムライJAPAN」を心より応援しております。さて、私の話している言葉は本当に武士語でしょうか。>>
◎変換後
<<「侍JAPAN」が勇姿は、いかさま、活動写真に出てくる武士の如くお見受け致し候。なれど、現代が日ノ本に武士は存在致さぬため、実際は、彼らをば真の武士であるとは申せませぬ。故に、「武士が如し」と申し上げておるのでござる。致し方ござらん。また、「侍JAPAN」が中に、ご先祖、士分の者は少数であると思われ候。無粋な話をばお耳に入れまして、かたじけない。拙者は「侍JAPAN」をば魂にて応援しておるのでござる。さて、某が話してござる言ノ葉は、誠にもののふ語でござろうか。>>

結構遊べます♪(言語・方言変換サイト「もんじろう」http://monjiro.net/

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